バッタは蝗害を起こす前に、普段の「孤独相」と呼ばれる体から、「群生相」と呼ばれる移動に適した体に変化する。これを相変異と呼ぶ。
群生相の孤独相に対する外見上の特徴は、
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孤独相に比べて暗色になる。
翅が長くなる。
足が短くなる。
頭幅が大きくなる。
胸部の上が孤独相は膨らんでいるのに対し、群生相はへこんでいる。
(電子顕微鏡で見ると)触覚の感覚子の数が減少している。
などが挙げられる。行動上の特徴は、
群生相の個体は互いに近づこうとする(孤独相の個体は互いに離れようとする。ただし、孤独相のバッタも群れに入れると群生行動を共にする[1])。
産卵前期間が増加し、羽化後生存日数が減少し、産卵回数、産卵数が減少する。
孤独相の時には食べなかった植物まで食べるようになる。
などが挙げられる。
群生相、孤独相はそれぞれ生まれつきのものである。ただし両親の遺伝子の組み合わせによるものではなく、親が暮らした集団の密度によるものであり、それも親がフェロモンのような分泌液の刺激を受けたわけではなく、別の個体との接触が主な原因と言われている。また、はっきりと2型に区別できるものではなく、程度の差がある。集団生活をしている親からは、集団の密度が高いほど、より群生相が強い子が産まれる。逆に集団密度が低くなると孤独相に近い子が生まれる。この特徴は世代を超えて累積的に遺伝する[2]。
相変異の原因物質は、ホルモンの一種で、11種類のアミノ酸からなる[His7]コラゾニン (H-corazonin) というポリペプチドである。H コラゾニンだけで群生相になるかどうかはよく分かっていないが、少なくとも体色の黒化、前翅長、後脚腿筋、胸部の変化、触覚の感覚子の減少といった、外見上の変化があることが実験的に確かめられている。ただし、行動上の影響についてはむしろ否定的な実験結果が出ており、相変異の原因についてまだ十分には解明されていない